官民一体となったネットリンチサイクルで個人を社会的虐殺する日本の日常

 

ネットイナゴ「殺せ、殺せ、殺せ」

マスコミ「じゃあ、殺すか」

警察「じゃあ、殺すか」

マスコミ「もっと殺すか」

警察「もっと、殺すか」

 

ネットの普及により前世紀よりさらにメディアスクラムが悪化

 

 

00年代中盤まではマスコミと2ちゃんねるは敵対し合う仲であったが、ネットリンチに限っては一人の若者を自殺に追い込むために間接的に協調するようになった。

 

2010年代初頭までは2ちゃんねるのネットリンチの過程を裏づけ取材をせずに転載して、「記事」という形でネットイナゴの歪んだ視点と悪意ある意見を転載し、攻撃性を伝染させていたのは探偵ファイルやJcastなどのいかがわしいベンチャーが運営するバイラルメディアと呼ばれる四流ウェブサイトが中心だったが、この手口を大手マスコミが追随するようになった。

 

NHK、産経、毎日、朝日、読売のメインストリームの報道組織に属する記者は、「少しでも落ち度のある者は残忍に殺害していい」という価値観をネットイナゴと共有し、事件性の有無に関わらず新奇性さえあれば表面的な騒ぎに飛びつき、ネットイナゴ側の攻撃的な視点と、悪意に満ちた主張に沿って、若者のイタズラを過剰に問題視し、損害を誇張し、重大犯罪であるかのようにニュース化することで、標的の社会的抹殺に貢献している。

 

アンダーグラウンドサイト2ちゃんねるに巣食うネットイナゴはメインストリームのニュースがネットリンチの結果を報道すると「俺達の2ch」が取り上げられたと大はしゃぎする。
ネットイナゴにとってネットリンチのニュース化は自分たちの社会に対する影響力と操作能力の証明であり、ネットリンチのニュース化が燃料になって2ちゃんねるで攻撃がさらに加速する。

 

「マスコミが騒いでる事件」で点数稼ぎしたい警察がイタズラをしただけの若者を不当逮捕しネットリンチの執行部隊として機能する。

警察は大物の2ちゃんねるネットイナゴに対しては、せいぜい捕まえやすい個人の見せしめ逮捕に終始するだけだが、逮捕しても反撃される見込みのないSNSの小物は徹底的に追い込むことで、「ネットに強い警察」をアピールする。

味をしめた警察は犯罪の定義を広げて、ネットイナゴ基準で法を運用して線路に降りて写真撮影しただけの若者や、飲食店の冷蔵庫に寝そべって写真撮影した若者を続々と逮捕している。

 

大手マスコミは大物2ちゃんねるを批判するより、無難なSNSの小物の個人を批判することで「ネット中傷問題」に対する批判的なポーズを維持している。

マスコミは被害者、加害者を強引に図式化してSNS時代の若者の暴走」といった安易なテーマに沿って日本の平均的な視聴者が消費しやすい勧善懲悪のストーリーを捏造して報道する。

情報バラエティでは自称コメンテーターのタレントが「ネットリンチされるのは自業自得だ」「ネットイナゴのリンチには正当性がある」などと無知と錯誤に満ちた論調で、陰湿なネットリンチを民主的プロセスの一環として正当化する

 

マスコミが創作した極端に単純化した世界観の中ではネットリンチを批判する意見も、状況を操作している本当の加害者であるネットイナゴも、2ちゃんねるも都合の悪い事実でしかなく、背景にいるネットイナゴの存在を意図的に無視している。

マスコミは2ちゃんねるのネットリンチを「インターネットで批判が殺到している」と漠然と表現し、通報厨の電凸を「市民から苦情が殺到している」と極端に単純化して伝えることでネットリンチを良識的な市民からの抗議であるように悪質な印象操作を行っている。

 

2013年頃からマスコミは飲食店のバックヤードでジョーク画像を投稿するパートタイムの若者らを呼称する「バイトテロ」という2ちゃんねる発祥の軽薄なスラングを報道記事に使用し始めた。

大手マスコミがピザ生地で顔を覆ったり、食器洗浄機に半身を入れるなどのイタズラ画像をSNSに投稿しただけのアルバイトをイスラム過激派と同レベルの「テロ行為」とまで定義するようになった。

 

ネットリンチのメディア戦術部隊と化したマスコミは、2ちゃんねるに先がけてSNSで奇抜な言動をする若者を探し出してニュース化し、ネットイナゴに餌食を供給して、リンチを先導するようになった。

 

 

 

 

ネットイナゴに同調したマスコミに感化された神奈川県は「SNSの若者は社会的に抹殺します」と予告するポスターを高校や大学、駅などに掲示した。